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〔JICAエルサルバドル 日本の教訓から学ぶ農村の生活改善〕

JICA-Netマルチメディア教材活用事例〔JICAエルサルバドル 日本の教訓から学ぶ農村の生活改善〕

プロジェクトに必須の教材として活用

2018年9月27日サン・ミゲル市で行われた研修の様子。同会場で「日本の生活改善の経験」が上映されました。

JICAは現在、エルサルバドルにおいて「生活改善アプローチに基づいた東部地域地方開発能力強化プロジェクト」を実施しています。JICA-Netマルチメディア教材「日本の生活改善の経験」の視聴は、このプロジェクトの中で、市社会開発普及員*及び集落住民の研修プログラムの一つに位置付けられています。
今までに、2018年には市社会開発普及員26名、6市7集落の集落リーダー及び住民約280名が、2019年現在、市社会開発普及員8名、7市9集落の集落リーダー及び住民約360名が本教材を視聴しました。

また、プロジェクトのカウンターパートである地方開発社会投資基金(FISDL)は、2015年から「生活改善アプローチに基づく社会プログラム実施のため地方自治体能力強化プロジェクト」を独自予算で実施しており、同プロジェクトにおいても、「日本の生活改善の経験」の視聴が生活改良普及員*及び住民に義務付けられています。 FISDLによると、2019年10月までに、エルサルバドルの24市において、74名の生活改良普及員と6492名の住民が同教材を視聴して「生活改善」に取り組んでいます。



途上国の生活改善に日本の経験を活かす

暗く湿気が多い当時の農村の炊事場。生活改善は農村女性の話を聞くことから始まりました。

戦後日本の農村民主化の基盤となり、農村部の生活水準を大きく改善した運動として、生活改善が挙げられます。「日本の生活改善の経験」は、その生活改善運動を概観したもので、日本の生活改善運動が現在の途上国の開発援助に対していかに示唆と教訓にとんでいるかを示しています。 教材は、生活改善アプローチを正しく理解するために、日本の生活改善運動についての5つのキーワード(農村開発、貧困削減、生産と生活の両建ての働きかけ、参加型開発、行政と住民のシナジー)に基づき、生活改善活動へのアプローチ事例を通じて、理解を深められるよう構成されています。

研修参加者は、「日本の生活改善の経験」を視聴したのちに、その内容について議論を行い、自分たちの日常生活において改善できるところがないか振り返りを行います。 また、課題別研修「中南米地域 生活改善アプローチ 持続的農村開発のための普及手法の適用と普及員育成」に参加した研修員が、自分の市役所で研修報告を行う際にも、同ビデオを使用します。



住民の意識を高める

カウンターパートである地方開発社会投資基金(FISDL)は、エルサルバドルにおける社会開発プログラムの実施主体で、地方開発への取組を強化しています。FISDLは長年の国内外からの援助により依存体質が恒常化している自治体及び地域住民の意識を改革する必要性を強く認識してきており、染み付いた援助への依存体質からの脱却を実現するために必要となる有効な支援方法を模索してきました。
こうした背景によりFISDLは、貧困削減を金銭収入で計り支援するこれまでのモノを通じた支援ではなく、自身の考え方を内面より変えていくことを主眼とした「生活改善アプローチ」を推進しています。
しかし住民は、いくらFISDLの人たちが「生活改善アプローチ」の重要性を説明しても、なかなかその内容を理解することができません。これは「生活改善」の考え方が、自分たちの考えとかけ離れているためです。現在のエルサルバドル農村部よりも無い無い尽くしであった日本の戦後において、地域住民が身の回りの資源を活用して生活の質を改善していく本教材を見ることにより、住民は自分たちも地域資源を活用して生活を改善できるという自信を持つことができます。



研修を行う立場から

教材の視聴後に行われた議論の様子

JICA-Netマルチメディア教材は、内容が有用であることはもちろん、無理なく効果的に研修を実施できるツールとしても優秀です。 例えばコミュニティー開発系の青年海外協力隊員など、まだ現地語の習得ができておらずファシリテーションの経験が少ない場合でも、本プロジェクトで実施しているように、教材を上映することによって研修参加者同士の議論を活性化することができます。 わかりやすくまとまった内容や視覚的なメディアの強み、多言語に対応した利点等をうまく活用すれば、今後も多様な場面で役立てることができるでしょう。


*社会開発普及員は正規の市職員であり、生活改良普及員はFISDLから市役所に配分されている予算で雇用されている普及員です。なお、「生活改善」を普及するのは「生活改良普及員」であり、「生活改善」の考え方を習得した集落において集落開発計画作成及び実施を支援するのが市の社会開発普及員です。



桑垣隆一
JICAエルサルバドル事務所

*このページで紹介している教材

「日本の生活改善の経験」

この教材は、日本発の農村開発アプローチとして、日本の戦後の生活改善運動を概観し、日本の援助関係者が推進する援助業務の参考とすることを目的に制作しました。現在、各プロジェクトの中で生活改善のコンポーネントとして取り入れいる生活改善活動アプローチが単なる導入活動でしかない「改良かまど」が、社会的コンテクストを考慮しないまま採りいれられたり、収入向上が優先される目標であるとの理解から、生活改善と称して一挙に食品加工や手工芸を導入する向きがあります。 生活改善アプローチを正しく理解していただくために、日本の生活改善運動についての5つのキーワード(農村開発、貧困削減、生産と生活の両建ての働きかけ、参加型開発、行政と住民のシナジー)に基づき、生活改善活動へのアプローチ事例を通じて、理解を深められるよう構成しました。

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